接客評価や採用面接を定量化するAIシステム「MAL Face Emotion」の活用事例

独自開発の感情認識AIを活用し、人物の顔の表情を数値化・可視化できるシステム『MAL Face Emotion』。
本ソリューションは、SDKとして提供している感情認識エンジンをベースに、PCのブラウザ(管理画面)上で感情値の推移をリアルタイムにグラフで確認できるようにしたものです。
今回は、この感情認識AIが実際のビジネス現場においてどのように活用されているのか、具体的な導入事例を交えてご紹介します。
1.感情認識AI『MAL Face Emotion』の仕組み
使い方は非常にシンプルです。市販のスマートフォンまたはタブレット端末に専用アプリをインストールし、対象者の顔をカメラで捉えます。すると、エッジAIがローカル環境で「普通(真顔)」「喜び(笑顔)」「驚き」「怒り」「悲しみ」の5種類の感情を0~100のスコアで推論・数値化します。
そのデータがクラウドへ同期され、管理者のPC画面にリアルタイムで感情推移のグラフとして表示されます。また、「一定以上の笑顔スコアを記録した合計秒数」などを自動集計することも可能です。
2. ビジネス活用事例:採用活動における「笑顔の定量化」
愛知県内で複数の保育園を運営する株式会社グローブ・ハート様にて、保育士の新卒採用面接に本システムが導入されました。

保育の現場において「笑顔」は非常に重要な資質ですが、面接官の主観に頼りがちでした。そこで、『MAL Face Emotion』を用いて面接中の候補者の表情をカメラで解析し、「15分の面接時間中に、一定以上の笑顔(喜びのスコア)を出し続けた時間は合計何秒か」を定量データとして計測しました。

これを「笑顔面接」と名付け、面接官の主観的評価とAIによる客観的データを掛け合わせることで、より自社のカルチャーにマッチした人材の採用判断に活用しています。
また、ストレス耐性を見るために、あえて圧迫感のある質問をした際に「怒り」や「悲しみ」の感情がどう推移するか(冷静さを保てるか)を分析するといった応用も可能です。
3. ビジネス活用事例:店舗での「接客品質の評価とトラブル防止」

店舗の受付やカスタマーサポートの各ブースに本システム(カメラ)を設置し、お客様の表情から感情推移を継続的に計測します。
- 接客品質の改善:お客様の「喜び」のスコアが高い時間帯や、「怒り」「悲しみ」のスコアが上昇したタイミングを分析することで、どの接客プロセスが顧客体験に影響を与えたのかを定量的に評価できます。
- トラブルの早期発見とヘルプ:クレーム対応等で「怒り」の数値が急激に上昇し、一定時間継続した場合に、裏側の管理システムに自動でアラートを通知。店舗マネージャーが迅速に該当ブースへヘルプに入るといった、リアルタイムなトラブルシューティング体制を構築できます。
4. マーケティングリサーチやオフィス環境の可視化

特別な専用ハードウェア(高額なカメラやサーバー)を必要とせず、汎用スマートフォン1台でセットアップできるため、以下のようなシーンでも手軽に導入可能です。
- 実演販売やサイネージの反応測定:スーパーの店頭や商品棚にカメラを設置し、商品やプロモーション映像を見た消費者がどのような感情の反応(驚き、喜びなど)を示したかを計測し、マーケティングデータとして活用する。
- オフィス内の雰囲気可視化:複数人の顔を同時に認識し、その合計値や平均値を算出することで、執務エリアの「社内の雰囲気」を数値化。働き方改革やメンタルヘルスケアの指標として活用する。
5. AIを活用した映像・画像解析ソリューションなら
バイタリフィ アジアでは、今回ご紹介した感情認識AI『MAL Face Emotion』のカスタマイズ開発はもちろん、顔認証技術を用いた出退勤管理システム、OCR、製造業向けの不良品検知モデルなど、多岐にわたるAIソリューションの開発実績があります。
「自社の業務フローにAIの画像認識を組み込みたい」「独自のAIモデルを構築したい」といったご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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