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世界2位の生産国は「ブランド国」へ!変革を迎えるベトナムコーヒー市場の最新トレンド(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/17)

世界2位の生産国は「ブランド国」へ!変革を迎えるベトナムコーヒー市場の最新トレンド(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/17)

現地で報じられているニュースを日本人の視点から読み解き、リアルな現地事情を紹介していく「石黒が選ぶベトナムのニュース紹介」、第34回目。

今回は、ベトナムを代表する作物であり基幹産業ともいえる「コーヒー市場」にスポットを当てます。

世界第2位のコーヒー輸出を誇るベトナムですが、いま「国内消費の劇的な成熟」と「輸出戦略の転換」という非常に面白い変革期を迎えています。国内外の最新ニュースと市場データをもとに、その現在地を読み解いていきます。

2026年6月16日のVnEconomyの報道(原文はベトナム語)
ベトナムコーヒー市場の成長物語。

1. ベトナム国内市場の変化(成熟化)

ベトナムの街を歩けば、至る所でカフェを手にする人々を見かけます。実際にベトナム国内には現在、約10万軒のコーヒーショップがあると言われているほどです。

その中でも著名なブランドが「Highlands Coffee」。ベトナム生まれでありながら7歳でアメリカへ移住しその後ベトナムへ戻った越僑、David Thái氏が1999年にハノイのホアンキエム湖近くに1号店から開始し2026年6月、ついに1000店舗目がオープンするなどベトナム中どこにでもあると言われるコーヒーチェーンです。

写真は、2026年6月15日のベトナム語の報道「ハイランズコーヒーがベトナム国内で1000店舗を達成:約30年にわたり、ベトナムコーヒーの真髄を粘り強く広めてきた。」より

しかしこのような著名ブランドでさえ、店舗数に占める割合は、計算上1%(10万件中の1000件)でしかないことから分かるように、コーヒーチェーン店の普及率は、他国と比べて低く、タイでは約80%、インドネシアでは約70%が何らかのチェーンに所属しているのに対し、ベトナムでは約30%に過ぎないとされています。

つまりそれだけ様々な種類のコーヒーショップが、それぞれの個性・独自性を打ち出している市場と言えます。

Highlands Coffee創業者のDavid Thái氏によると、コーヒーショップの利用者層(または利用目的)も変化しており、かつては主に年配の男性の集いの場だったが、今日では顧客の約60%が女性へと変わったこと。そして最も大きな変化の一つは、コーヒーショップという空間の役割が商品と同じくらい重要になったことであるとして、以下の様に述べています。

「以前人々は、主にコーヒーを飲むためにコーヒーショップに行っていました。しかし今では、仕事をしたり、勉強したり、友達と会ったり、あるいは単に雰囲気を楽しんだりするために行きます。コーヒーショップは多くの人にとって第二の家のような存在になっています」

写真は、2026年6月15日のベトナム語の報道「ハイランズコーヒーがベトナム国内で1000店舗を達成:約30年にわたり、ベトナムコーヒーの真髄を粘り強く広めてきた。」より

この様な変化は、ベトナムにおける新たな消費のトレンドとして、「製品自体の消費」から「体験消費」への移行を反映しているとも言えるのではないでしょうか。

飲料の品質(美味しさ)は、引き続き重要ではあるものの、それが顧客の選択を決定づける唯一の要素では無くなってきており、ベトナムの消費者、特にZ世代を中心とする若者たちにとって「コーヒーショップは、自分たちのライフスタイルや価値観を表現する空間」へと変化してきている、言い換えるならそのくらい市場は、成熟していると言えます。

2. コーヒー輸出市場も転換中

国内での成熟と並行して、輸出の現場でもダイナミックな地殻変動が起きています。

2-1.量の販売に加えて高付加価値商品を売って稼ぐ方向ヘ

これまでベトナムのコーヒー輸出といえば、欧米市場向けの「ロブスタ種の豆」をバルク(大量一括)で送るビジネスが中心でした。しかし、直近の報道によると、現在のベトナムは「中国をはじめとするアジアの、いわゆる“10億人市場”への高付加価値製品の食い込み」に全力を注いでいます。

つい先日も中国雲南省昆明市で「中国・ベトナムコーヒービジネス交流会議」が開催され、ベトナム産コーヒーの輸出拡大が話し合われました。

写真は、2026年6月15日のベトナム語の報道「ベトナムコーヒーが10億人規模の市場に進出。」より

この中国市場では、伝統的な茶文化からコーヒー消費へのシフトが急速に進んでおり、ベトナムにとってこれ以上ない巨大なチャンスとなっています。ベトナム企業は単なる生豆の輸出から脱却し、現地の好みに合わせた「インスタントコーヒー」や「焙煎・加工済みのブランド製品」を直接送り込む戦略へと舵を切っています。

2-2.市場データが語るベトナムのコーヒー輸出

先ほどの報道によると2025年ベトナムのコーヒー輸出量は、159万トンに達し89億2,000万ドルの収益を上げたとあります。これは前年2024年と比較して輸出量で18.3%、金額で58.8%の増加であり、金額の伸びが量の伸びの3倍超であることからも、より高単価で販売できていることを示しています。

そしてその背景にあるのがコーヒー豆の高騰という市況に加えて、インスタントなど加工商品の輸出です。2025年10月18日付けで公開された「ベトナムのコーヒー市場レポート」(原文ベトナム語)から数字データを見ていきます。

上記は、ベトナム税関の出しているデータを元にした「コーヒーの平均輸出価格(1トン当たり米ドル)」ですが、2022年頃から急速に輸出価格が上がっている様子が伺えます。

同じレポート内にあるこちらの図は、棒グラフが輸出量(左軸で単位は100万トン)、赤の折れ線が輸出額(右軸で単位10億ドル)です。

2021年以降、輸出量は減っているものの輸出額は増えており、これは加工商品の輸出増加による影響も大きいとレポート内では紹介されています。

そしてベトナムのコーヒー輸出先地域ですが

一番の輸出先エリアであるEUの比率が、コーヒー年度2023~2024(2023年10月〜2024年9月)の37.1%から、コーヒー年度2024~2025(2024年10月〜2025年9月)は40.5%へと高まっています。

特定の地域に依存すると貿易不均衡の問題や、地域の景気低迷の影響を受けやすいため、中国への販路拡大は、特定の地域への集中リスクを避けるための一環という見方もできます。

3. 筆者(石黒)が注目したポイント

今回のコーヒー市場の動向を見て興味深いと感じたのは、ベトナムが「安価な原材料供給地」からの脱却を目指して、自らの「ブランド」を確立しようとしている、高い付加価値を付けて稼ごうとしているという点です。

これまで、世界中で飲まれているインスタントコーヒーの多くにベトナム産のロブスタ種が使われていながら、世界の消費者は「ベトナムコーヒーを飲んでいる」という意識をほとんど持っていませんでした。

しかし、ベトナム国内の消費者の洗練された目によって磨かれてきたプロダクトたちが、中国や世界市場へ「ベトナムブランド」として挑戦を始めています。

写真は、中国で販売されているベトナムのG7インスタントコーヒー(ベトナム語の報道)より

そして今後、ベトナム発コーヒーショップも国際的に展開する事例が増えていくと考えられます。

日本企業にとってベトナムは、日本で培ったノウハウを展開する「輸出先」というイメージが強いですが、コーヒーなど商品やサービスによっては、ベトナムにある洗練されたビジネスや商品を日本や他国に展開する「輸入先」といった点でも注目される国となるのではないか。そんなことを感じさせてくれるニュースでした。

実践型ビジネス出張ツアー「Ăng-Ten(アンテン)」

ベトナム拠点・IT開発センター設立の実践視察ツアー【Ăng-Ten】
現地プロ7社とのアポ調整・ホテル・移動がすべて完了。ベトナム出張が決まった新規事業担当者へ向けた、確かな判断材料を持ち帰るための超実践的ビジネスツアー。

「Ăng-Ten(アンテン、ベトナム語でアンテナを意味)」は、ベトナム最大の経済都市・ホーチミン市を実際に訪れ、現地で長年ビジネスを営む7名の専門家と直接つながる、2泊3日の密度の高いビジネス出張ツアーです。

💡 本ツアーで得られる3つの価値

  1. 誰に会うべきかが見える:法務(弁護士)・採用・金融(銀行)・BtoB営業・不動産など、現地で接点を持つべきスペシャリストと直接議論ができます。※弊社バイタリフィ アジアのDirector 石黒も、オフショア開発の専門家(講師)として本ツアーに登壇いたします!
  2. 何から着手すべきかが整理される:すべて日本語での実践講義を通じて、拠点設立に必要な実務の順番と、見落としやすい注意点(成功例・失敗例)をまとめて持ち帰れます。
  3. 帰国後の相談先(人脈)が確保できる:質疑応答や後日の個別面談を通じて、自社の悩みを直接ぶつけることができ、帰国後すぐに動ける体制が整います。

【開催スケジュール(2026年)】

  • 第3回目:7月15日(水)〜7月17日(金)
  • 第4回目:8月19日(水)〜8月21日(金)
  • 第5回目:9月9日(水)〜9月11日(金)
  • 第6回目:10月14日(水)〜10月16日(金)

※オプションで航空券の手配や延泊(観光・ゴルフ等)のご相談も可能です。

急成長するベトナム市場への進出や、新規事業の拠点設立をミッションとして任された皆様。事前情報だけで判断するのではなく、ぜひ現地の最前線を自分の目で確かめに来てください。ホーチミンでお会いできることを楽しみにしています!

▼お申し込み・スケジュール詳細はこちら

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