勤怠管理に活用可能な顔認証AI:独自開発アプリ「Face Recognition」の技術検証

※本記事は2020年当時の顔認証AI技術の検証レポートです。最新のエッジAI顔認識による勤怠管理ソリューションについては『NikoNikoシステム:AI顔認識による勤怠管理とスタッフの感情可視化』の記事をご覧ください。


現在Vitalify Asiaでは、コンピュータビジョンを用いた画像認識技術のR&Dに力を入れています。
今回は、独自開発のエッジAIモデルを利用した「顔認証技術」と、それを搭載した出退勤管理アプリ『Face Recognition』(社内プロトタイプ版)の技術検証についてご紹介します。
1. スマホで動作する独自開発の「顔認証エッジAIモデル」
今回開発したのは、スマートフォン上でスタンドアローン(オフライン)動作する顔認証AIモデルです。クラウドサーバーのAPIに画像を送信して推論を行う一般的な顔認証とは異なり、デバイス(エッジ)側で処理が完結するため、ビジネス要件において以下のような強力なメリットがあります。
- 高速な処理スピード:ネットワーク通信によるレイテンシ(遅延)が発生しません。
- 高いセキュリティ水準:顔の画像データや特徴量などの個人情報が外部ネットワークに流出するリスクを根本から抑えられます。
事前の顔登録(エンロールメント)は1人あたり約10秒ほどで完了し、登録済みの顔かどうかの判別(認証プロセス)自体は1秒以内で完了します。社内での実証テストでは、約90%という高い精度で正しく個人をマッチングできています。

2. 出退勤管理アプリ『Face Recognition』の検証プロセス
この顔認証エッジAIモデルを組み込んだ出退勤管理アプリのプロトタイプを開発し、実際の運用ワークフローを想定した動作テストを行いました。
ステップ1:顔データ(特徴量)の登録
まずは、社員の顔データを登録するフローのテストです。スマートフォンの画面に表示されるガイド枠に合わせて、以下の動作を行います。
- 正面を向く
- 上を向く
- 下を向く
- 左を向く
- 右を向く
この首の動作を行うだけで、AIが複数角度から顔の特徴量を抽出し、立体的な認証データを生成します。社員名(ID)と紐付けるまでの操作時間はわずか10秒程度と、現場での導入負荷が非常に低いことが確認できました。

ステップ2:顔認証による出退勤の記録
実際の打刻を想定したテストです。
スマートフォンのカメラを立ち上げると、AIが瞬時に登録済みの特徴量データベースと照合し、個人を特定します。顔認証が完了した後、画面のボタンをタップすることで「出勤」「退勤」の正確なタイムスタンプが記録されます。ICカードのタッチやパスワード入力は一切不要です。

ステップ3:勤怠データのCSV出力とシステム連携
記録された出退勤データには、社員ごとの日付、出退勤のステータス、正確なタイムスタンプ情報が含まれます。
プロトタイプアプリ上からは、この勤怠データを簡単にCSV形式でエクスポートでき、企業がすでに導入している既存の人事・給与管理システム(ERP等)とのシームレスな連携を想定したデータ構造になっています。
もちろん、管理者権限(パスワード設定等)を設け、人事担当者のみがデータを出力・管理できるようアクセス制限をかけることも可能です。
3. Face Recognitionの特長まとめ
今回の技術検証で確認できた本AIモデルの特徴は以下の通りです。
- スマホ単体での顔認証:特殊なカメラや専用ハードウェアを導入せずとも、汎用のスマートフォンのみでセキュアな顔の登録・認証システムが構築可能。
- スタンドアローン動作:通信環境の不安定な現場(工場や建設現場など)でも動作し、セキュアな運用が可能。
- 高速かつ高精度:顔の登録は約10秒、認証は1秒以内。認証精度は約90%(社内環境テスト時)。
4. AIを活用した画像認識ソリューションの開発推進
バイタリフィアジアでは、今回検証した顔認証AIをはじめ、製造業向けの不良品検知、物体認識によるプロセス自動化など、お客様のビジネス課題を解決するための独自のAIモデル開発やPoC(概念実証)を得意としています。
「自社の業務フローにエッジAIを導入して効率化したい」「既存のアプリケーションに顔認証機能を安価に組み込みたい」といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

「Generative AI & ML」の関連記事

【生成AI×UIデザイン】一貫性のあるアイコンをLoRAで安定生成する技術検証
画像生成AIが陥りがちな「描き込みすぎ」や「一貫性の不在」を防ぎ、UI/UXデザインに最適なシンプルなアイコンをLoRAを用いて安定生成するアプローチを解説します。

AI Economist: Reinforcement Learning in Economics
Experimenting with the AI Economist API to simulate free markets and communism using Reinforcement Learning (RL) agents.

Applying Self Pre-Training Method to GNN for Quantum Chemistry
Explore how self pre-training methods are applied to Graph Neural Networks (GNN) to improve predictions in quantum chemistry.