ベトナムIT人材の給与水準と業界動向:VietnamWorksレポートによる職位別・職種別データ

日本のエン・ジャパン子会社であり、ベトナムにおける求人サービス大手のVietnamWorks社が発表した、IT人材の給与に関する調査レポート(2017年1月10日付『VNEXPRESS』掲載)のデータを共有します。
職位(経験年数)ごとの平均給与推移
- 経験2年未満のジュニア層(IT人材の7%):月802ドル(約1,800万ドン)。他の産業に比べると当時から相対的に高い水準でした。
- 2年以上の経験があるミドル層(管理職を除く、IT人材の80%):月1,160ドル(約2,600万ドン)。
- 管理職・マネージャー層(IT人材の12%):月1,840ドル(約4,100万ドン)。
- 役員・ディレクター層(IT人材の1%):月2,929ドル(約6,600万ドン)。
職種ごとの平均給与と従業員満足度
- 品質管理(QA/テスト)エンジニア:月800ドル
- データベースエンジニア:月900ドル
- インフラ・ネットワークエンジニア:月1,050ドル
- ソフトウェア開発者(プログラマー):月1,300ドル
- プロダクト/プロジェクトマネージャー(PM/スクラムマスター):月1,400ドル
- 部長クラス:月2,700ドル
これらの給与水準に対するベトナム人IT技術者の満足度は、以下の通りでした。
- 満足:12%
- やや満足:56%
- 不満足:32%
レポートによると、従業員側は「スキル向上に繋がる仕事の機会」「報酬(給与・ボーナス)」「ワークライフバランス」を重視しているのに対し、企業側は「オフィス環境の充実(PCやデュアルモニター等)」「スキル向上の機会」「フレキシブルな勤務形態」に力を入れており、双方の期待値に若干のギャップが存在していたことが伺えます。
ベトナムIT市場の成長と今後の見通し
当時、81%のIT企業が「翌年も従業員の給料が6〜20%上がる」と回答していました。VietnamWorks社によれば、ビジネス状況が好調なため、従業員の新しいスキル習得や技術の底上げが求められ、それが給与の引き上げに直結していると分析されていました。
IT人材の需要はその後も高まり続け、2017年時点で約25万人のIT技術者が存在していましたが、翌2018年末には40万人超になる見込みとされていました。また、44%のIT技術者が「より良い給与や待遇があれば転職を検討する」と回答しており、企業側はいかに優秀な人材を繋ぎ止めるか(リテンション)という課題に直面していました。
本データは人材会社のレポートに基づくものであり、調査対象(都市部の外資系企業など)の偏りや、税金・社会保険料の会社負担分が含まれているか等の条件により、実際の雇用における総人件費とは差がある点に留意が必要です。しかし、ベトナムのIT人件費が年々確実に上昇してきているというマクロトレンドを示す重要な指標と言えます。
バイタリフィアジアでは、こうした市場の成長と変化を踏まえ、単なるコスト削減(安かろう悪かろう)ではなく、より生産性の高い優秀なベトナム人技術者を選抜し、お客様のビジネス成長にコミットするオフショア開発リソースをご提供し続けています。
[2026年アップデート情報]
【2026年】オフショア開発の費用相場についてはこちらで解説しています。

「Business & Culture」の関連記事

ベトナムのレアアース市場の現実!米国超えの埋蔵量と崩壊する採掘現場(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/7/6)
米国を超える世界6位(350万トン)のレアアース埋蔵量を誇るベトナム。しかし現場では違法採掘や密輸によるトップの逮捕など深刻な崩壊が。脱中国依存に向け、日本の環境技術とガバナンスでサプライチェーンを再構築するビジネスチャンスを解説します。

ベトナム家電市場の激変!データが語る「価値志向」と日本ブランドの可能性(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/7/3)
安さよりも品質と機能を重視!激変するベトナム家電市場の最新EC売上データと消費者調査から見えた「スマートリビング」への価値シフトと、日本ブランドが狙うべき巨大なビジネスチャンスを解説します。

ベトナム眼科・近視手術市場のリアル!若者の脱眼鏡ニーズと医療ビジネスの商機(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/7/2)
スマホ普及で若者の近視が急増するベトナム。Cốc Cốc社の最新データから、単なる治療を超えた「キャリアアップ」や「QOL向上」を求める近視手術(レーシック)市場の熱気と、日系医療ビジネスの商機を解説します。
