ベトナムIT人材市場レポート【後編】:給与満足度・福利厚生ニーズとエンジニアの継続的学習手法

前編では開発言語ごとの給与水準を紹介しましたが、後編では「給与や福利厚生に対する満足度」や「ベトナム人ITエンジニアがどのようにスキルアップをしているのか」、そして技術トレンドについて紹介します。

給与への満足度と昇給率のリアル
ベトナム人ITエンジニアの42%が「より給与や待遇が良い環境があれば転職したい」と考えています。給与に対する満足度は「満足」が11%、「どちらでもない」が54%、「不満足」が35%という結果でした。
これに対し、企業側は人材の流出を防ぐため、非常にアグレッシブな昇給計画を立てていました。
- 6~10%の昇給:41%の企業
- 11~20%の昇給:28%の企業
- 20%以上の昇給:7%の企業
昇給の理由としては「パフォーマンス(成果)」が38%、「昇格」が34%と、大半が成果主義に基づくものでした。インフレ率を上回るペースで、優秀なエンジニアには大きく昇給させて報いるというベトナム市場のダイナミズムが表れています。
企業とエンジニアの間にある「福利厚生」のギャップ
ベトナム人エンジニアにとって、福利厚生は非常に重要なモチベーション要素です。しかし、企業側が重視している点と、従業員が期待している点にはギャップがありました。
- 従業員が求めるもの:「各種手当(昼食や住居、交通費)」「臨時賞与」「スキルアップできる環境」「民間健康保険(公立病院ではなく私立病院を利用できる保険)」
- 企業が提供しがちなもの:「自宅勤務」「オフィス環境の充実」
ベトナムでは交通費を基本給に含めるケースが多いため、別途の交通費支給やランチ手当などが分かりやすいベネフィットとして喜ばれる傾向にありました。
ベトナム人エンジニアの学習意欲とスキルアップ
ベトナムのIT企業に所属するエンジニアの25%が何らかの社内トレーニングを受けており、その内容は「英語(31%)」「プログラミングスキル(30%)」「プロジェクト管理スキル(22%)」など多岐にわたりました。最新の技術ドキュメントは英語で書かれているため、英語力の向上がプログラミングスキル向上と直結していると考えられていました。
また、個人の自己学習においては、以下のような手段が人気でした。
- GitHubやStack Overflowでの研究:76%
- 電子書籍(eBook)のダウンロード:49%
- オンライン学習(e-Learning):31%
- 技術イベントへの参加:31%
ベトナム語の技術書が少ないため、英語のドキュメントやオンラインソースを読んで勉強するのが一般的です。そのため、ベトナム人エンジニアは「会話は苦手でも、英語の読み書きは得意」という特徴があります。
技術トレンド(フレームワークとモバイル)
ベトナムで注目されていた技術トレンドは以下の通りです。
- Webフレームワーク:jQuery(16%)、React.js(15%)、Laravel(15%)、AngularJS(12%)。フロントエンド技術の刷新期であり、Reactが急速に伸びていました。
- モバイル開発:iOS(34%)、Android(28%)。クロスプラットフォームではReact Native(13%)が注目を集め始めていました。
これらのデータは、ベトナムが単なる「安い労働力」から、「最新技術を積極的にキャッチアップする技術者集団」へと移行していることを示しています。
オフショア開発で優秀なチームを構築するなら、こうした現地のエンジニア気質を深く理解することが不可欠です。ベトナムでの開発にご興味があれば、ぜひバイタリフィアジアにご相談ください。
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