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個人ウォレットでの保持はOK、取引は「認可取引所」限定へ!動き出すベトナムの暗号資産(暗号通貨・仮想通貨)市場(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/25)

個人ウォレットでの保持はOK、取引は「認可取引所」限定へ!動き出すベトナムの暗号資産(暗号通貨・仮想通貨)市場(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/25)

現地で報じられているニュースを日本人の視点から読み解き、リアルな現地事情を紹介していく「石黒が選ぶベトナムのニュース紹介」、第40回目。

今回は、長らく法的なグレーゾーンにありながらも世界屈指の市場規模を誇ってきた、ベトナムの「暗号資産(デジタル資産・仮想通貨)」市場にスポットを当てます。

国家レベルでの明確な法制化のメスが入り、市場のルールが根底から変わろうとしています。現地のニュースやデータをもとに、今後の動向を紹介します。

2026年6月5日 VnEconomy の報道(原文はベトナム語)
デジタル資産投資家は依然として個人ウォレットを保持できるが、認可された取引所を通じて取引しなければならない

1. 個人の保有は「合法」、ただし取引は国内の認可取引所が必須に

2026年6月5日に開催された「新商品と市場開発の方向性:暗号資産とデジタル金融市場の未来」と題された重要なカンファレンスにて、国家証券委員会(SSC)暗号資産取引市場管理局の常任副部長であるトー・チャン・ホア(Tô Trần Hòa)氏が、今後の暗号資産の具体的な管理方針を明らかにしました。

写真は、カンファレンスの様子(同報道より)

そこで語られたポイントは以下の通りです。

(1)ベトナムの投資家は引き続き個人ウォレットで暗号資産を保持することができるし、国内のサービス事業者(VASP)に預けなくても罰せられない。

(2)ただし、売買などの取引を行う場合は、必ずベトナム政府が正式に認可したベトナム国内の暗号資産サービスプロバイダー(VASP)を経由しなければならない(最初のVASPがライセンスを受けてから6か月後以降に適用)。

(3)外国人投資家は、ベトナム国内での取引に参加するための口座開設が認められる。

(4)国内の一般投資家は、実証実験の初期段階においては、すでに暗号資産を保有している場合にのみ参加(売買)が認められる。

(5)原則として、すべての上場商品および取引活動はベトナムドン(VND)で実施される。

この(5)のルールにより、ビットコインやイーサリアムはもちろん、USDTやUSDCといったステーブルコインのような暗号資産も、その時点の為替レートをもとに「ベトナムドン建て」で上場され、取引されることになります。

画像は、ベトナムでの暗号資産取引に関する報道より

そして、この暗号資産取引が認められる「仮想通貨サービスプロバイダー(VASP=Virtual Asset Service Provider)」ですが、こちらも厳格な規制下に置かれています。

最低10兆ドン(約614億円)という莫大な定款資本金を有する必要があり、株主構成も定款資本金の最低65%は商業銀行、証券会社、ファンド運用会社、大手テクノロジー企業などの「組織(法人)」によって拠出されなければなりません。

さらに、外国資本の所有比率は49%を超えてはならないという制限や、同一の組織・個人は認可を受けた1つのVASPにしか出資できないといった幾重もの規制があり、まさに「メガバンクや地場IT大手の連合でなければ参入させない」という、国の強い管理の意志が伺えます。(ベトナム語の報道より

2. ニュースの背景にある「ベトナムのリアルな事情」

これまで事実上の「無法地帯」だったベトナムの暗号資産市場に対し、なぜ国がこのタイミングで明確な境界線を引いたのでしょうか。そこには、新興国トップクラスの暗号資産大国だからこそのリアルな事情と戦略があります。

法規制下におかれた取引はこれからですが、ベトナムは既に世界有数の暗号資産(デジタル資産)大国とされています。

1年前の2025年7月時点でベトナムの暗号通貨取引量は、年間2,000億ドルを超え、かつ何らかの暗号通貨(口座)を保有している人は、約1,700万~2,100万とも推測され、世界で7位、アジア太平洋地域では3位にランクインしているとあります。(2026年1月28日の報道より

画像は、ベトナムでの暗号資産取引に関する報道より

しかし、これまでは法的な定義が曖昧だったため、莫大な取引が行われているにもかかわらず国が税金を徴収できないだけでなく、マネーロンダリングや詐欺の温床になるリスクが深刻化していました。

またベトナムでは外貨の持ち出しや国外への流出といった資本移動を厳しく規制していますが、暗号資産が事実上の抜け穴にもなっています。

今回の規制により、すべての取引を国内の認可取引所(VASP)に一本化し、かつドンでの取引に限定することで、通常の金融資産や外貨などと同様に、全てを政府の監視下に置くことが可能となります。

3. 筆者(石黒)が注目したポイント:

今回のニュースを見て気が付いた点は、3つほどあります。

1つ目は、ベトナム政府が外貨取引と同じく暗号通貨を通じた海外への資産流出を引き続き懸念しているという点です。

国内の認可取引所(VASP)だけとし、ドンでの取引を義務付けているといった点は、ベトナム国内での金(ゴールド)取引において、国内外での裁定が働かないため国際価格と国内価格が乖離している状況や、外国人保有枠の制限や、自由に海外株式へ投資ができない状況と近いものを感じます。

2つ目は、認可取引所(VASP)にそれなりの規模を義務付けているのには、日本を含めて様々な国で過去発生したサーバー攻撃などによる暗号通貨流出を踏まえたと考えられる点です。

将来、ベトナムでも同様の事件・事故が発生した場合、ベトナムの金融システム全体を巻き込むような不安が生じないようにするため、それなりの資産規模やそれをサポートする金融機関の存在を必要としたという意味もあると考えられます。

3つ目は、取引を透明化し管理下に置くことで「最先端のデジタル金融」も取り入れていこうとしている点です。

ニュース記事で語られていましたが、ベトナムにある90万社を超える中小企業(SME)では、依然として資金調達に苦慮しているという現実があります。

そこで中小企業が持つ様々な所有権(資産)をデジタル化した資産のトークン化(Real World Asset=RWA)という方法をとることで、資産の流動性を向上させるならば資金調達手段を増やすことに繋がります。例えば、不動産、金、商品、貴金属、美術品などがトークン化される可能性のある資産として考えられます。

もっとも認可取引所(VASP)導入によって、すぐに中小企業の資金調達が抜本的に改善されるわけではないものの、将来的にそれを実現する一歩を踏み出したと言えます。

以上の様に、以前から変わらない部分、他国に学んだ部分、今後変えようとしている部分の計3つが交じり合っているのが、今後始まるベトナムの暗号資産の枠組みではないか、そんなことを感じさせるニュースでした。

実践型ビジネス出張ツアー「Ăng-Ten(アンテン)」

ベトナム拠点・IT開発センター設立の実践視察ツアー【Ăng-Ten】
現地プロ7社とのアポ調整・ホテル・移動がすべて完了。ベトナム出張が決まった新規事業担当者へ向けた、確かな判断材料を持ち帰るための超実践的ビジネスツアー。

「Ăng-Ten(アンテン、ベトナム語でアンテナを意味)」は、ベトナム最大の経済都市・ホーチミン市を実際に訪れ、現地で長年ビジネスを営む7名の専門家と直接つながる、2泊3日の密度の高いビジネス出張ツアーです。

💡 本ツアーで得られる3つの価値

  1. 誰に会うべきかが見える:法務(弁護士)・採用・金融(銀行)・BtoB営業・不動産など、現地で接点を持つべきスペシャリストと直接議論ができます。※弊社バイタリフィ アジアのDirector 石黒も、オフショア開発の専門家(講師)として本ツアーに登壇いたします!
  2. 何から着手すべきかが整理される:すべて日本語での実践講義を通じて、拠点設立に必要な実務の順番と、見落としやすい注意点(成功例・失敗例)をまとめて持ち帰れます。
  3. 帰国後の相談先(人脈)が確保できる:質疑応答や後日の個別面談を通じて、自社の悩みを直接ぶつけることができ、帰国後すぐに動ける体制が整います。

【開催スケジュール(2026年)】

  • 第3回目:7月15日(水)〜7月17日(金)
  • 第4回目:8月19日(水)〜8月21日(金)
  • 第5回目:9月9日(水)〜9月11日(金)
  • 第6回目:10月14日(水)〜10月16日(金)

※オプションで航空券の手配や延泊(観光・ゴルフ等)のご相談も可能です。

急成長するベトナム市場への進出や、新規事業の拠点設立をミッションとして任された皆様。事前情報だけで判断するのではなく、ぜひ現地の最前線を自分の目で確かめに来てください。ホーチミンでお会いできることを楽しみにしています!

▼お申し込み・スケジュール詳細はこちら

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