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35年で約770倍!ベトナム観光市場の爆発的成長と日本との比較から見えるもの(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/26)

35年で約770倍!ベトナム観光市場の爆発的成長と日本との比較から見えるもの(石黒が選ぶベトナムのニュース:2026/6/26)

現地で報じられているニュースを日本人の視点から読み解き、リアルな現地事情を紹介していく「石黒が選ぶベトナムのニュース紹介」、第41回目。

今回は、完全に復活を遂げ、さらなる高みへと向かっているベトナムの「観光・ホスピタリティ産業」にスポットを当てます。アジア太平洋地域の中で圧倒的な一人勝ちを見せるベトナム観光の市場規模の推移と、日本との比較から見えるものについて最新のデータをもとに紹介します。

2026年6月23日のBao Dau tuの報道(原文はベトナム語)
ハ・ヴァン・シエウ博士:ベトナム観光は新たな成長サイクルに突入する

1. アジア太平洋の遅れを他所に大きく伸びたベトナムの外国人観光客数

国連観光機関(UN Tourism)の最新予測によると、世界全体の国際観光客数は順調に回復しているものの、アジア太平洋地域(APAC)の回復スピードは依然として期待を下回っています。2026年第1四半期時点でも、同地域の国際観光客数は約3%増加したものの2019年(コロナ前)の水準の約89%にとどまっているのが現状です。

しかし、そのような停滞を吹き飛ばすかのように、ベトナムは地域全体の平均を大きく引き離す爆発的な成長を遂げ、世界から注目を集めています。

自転車で観光地を巡るなどベトナムの観光方法も多様化している

経済紙のBao Dau tuが報じた、ベトナム国家観光局のハ・ヴァン・シエウ(Hà Văn Siêu)副局長の解説によると、ベトナムの観光産業は単なる「コロナ前への回復」のフェーズを完全に終え、市場の規模、観光収入、そしてサービスの質がすべて同時に拡大していく『新たな成長サイクル』へと突入したと述べています。

2. ニュースの背景にある「ベトナムのリアルな事情」:

そんなベトナムの観光産業は、どのように拡大してきたのでしょうか。

ベトナム観光を促進する国家観光局では、設立66周年という事で過去のデータ※も交えて紹介されていたので、前述の副局長の発言と合わせて、そのデータを見ていきます。(※2026年6月22日「ベトナムの観光業66年の歩み:サービス産業から経済成長の主要原動力へ」より。以下の図表も同様)

現ベトナム政府に連なる北ベトナム(ベトナム民主共和国)にベトナム観光会社が設立されたのは1960年ですが、観光の増加は1986年のドイモイ政策による開放後、しばらく経過した90年代からとなります。

ベトナムへの外国人観光客数、1990年~2026年(単位は、百万人)

外国人観光客数は、1990年にわずか25万人(上記図上では四捨五入されて0.3=30万人と記載)であったのが、2000年には200万人以上、2010年には500万人へと増え、コロナ禍直前の2019年には1,800万人へと急拡大しました。そして2025年は2,120万人、2026年の目標は2,500万人です。

しかし既に年初からの5ヶ月間で1,060万人(前年同期比14.9%増)、5月の単月で180万人(前年同月比16.5%増)と順調に拡大しています。

そして外国人旅行者以上に伸びているのは、ベトナム国内の旅行者です。

ベトナム国内観光客数、1990年~2026年(単位百万人)

1990年にわずか100万人だった国内旅行者は、2010年に2800万人、コロナ禍直前の2019年には8500万人へと増加。そして2025年には1億3700万人、2026年の目標は1億5,000万人であり、こちらも年初からの5ヶ月間で6,600万人、5月の単月で約1500万人(うち約1000万人が宿泊を伴う旅行)と順調に拡大が見て取れます。

そして最後に注目すべき数字は、外国人と国内観光客を合わせた観光収入です。

観光収入総額、1990年~2026年(単位は、1兆ベトナムドン=約60億円)

1990年にわずか1.3兆ドンが2010年には96兆ドン、コロナ禍直前の2019年に755兆ドン、そして2025年には1000兆ドン(6兆円)にまで増加しました。

期間中のインフレによる影響もありますが、35年間で見ると旅行客の伸び(外国人85倍、国内137倍)よりも、観光収入増加(約770倍)の方が大きいです。

そして2026年は約1,125兆ドンの目標に対して既に5ヶ月間で471兆ドンと、今年に入ってからも引き続き順調に拡大しています。

3. 筆者(石黒)が注目したポイント:

ベトナムの観光客数(外国人、国内旅行者)と観光収入を、日本と比べる興味深い点が見えてきます。

まず日本の2025年における外国人観光客数は、約4,268万人※でしたので、ベトナムの2,120万人という数字は、日本の約半分ほどの規模となります。(※2026年1月21日の日本政府観光局発表より

続いて2025年の日本国内旅行者数は、5億5,366万人でした。ベトナムの1億3700万人と比べると4倍ほどの差があります。この4倍という差は、1人当たりの豊かさの差(国内旅行できる豊かさの差)とも考えられ、物価水準を考慮した購買力平価でみた時の1人当たりGDPは、日本が56,853ドル、ベトナムが17,970ドルと約3.1倍の差があり、倍率は、比較的近い事が分かります。

そして観光収入も日本と比較してみます。

◆訪日外国人旅行消費額:9兆4,559億円(観光庁の2026年1月21日発表速報値

◆日本人の国内旅行消費額:26兆7,746億円(観光庁の2026年2月18日発表速報値

合計すると日本の観光収入は36兆2,305億円となり、ベトナムが約6兆円でしたので6倍ほどあります。

ベトナム国家観光局のサイトには、外国人旅行客と国内旅行客が分かれた形で観光収入の記載が無かったためその配分が分かりませんが、旅行客数の差に加えて日本と物価水準の違い(ホテル代、飲食代、各種観光施設の料金、移動費用)が観光収入の差に繋がったものと考えられます。

実際に2025年の観光収入額を観光客数(外国人+国内)で割り算すると、1人当たりの観光収入が出ますが

・ベトナム:1,000兆ドン÷1億5,820万人=6,321,113ドン(約3.8万円)
・日本:36兆2,305億円÷5億9,634万人=60,755円

となり、日本の方が高い事が分かります。

ただし両国の物価水準を考えると、ベトナムにおける観光客1人当たりの観光収入が意外と健闘していると考えられるでしょう。これは観光客数に占める外国人の割合が、

・ベトナム:1億5,820万人中の2,120万人で13.4%
・日本:5億9,634万人中の4,268万人で7.2%

とベトナムの方が高く、外国人がよりたくさんの支出をしているためと考えられます。

今後、旅行者の増加と合わせて、全体に占める外国人の割合がどの様に変わっていくのか、そして観光収入や1人当たりの金額はどう変化するのか。

「その国の一般消費者が、余暇(観光)にどれだけお金を使えるか」というデータは、社会全体のリアルな豊かさを測る上でのバロメーターとなります 。ベトナムのこの数字の推移を定点観測していくことは、市場の成熟度やリアルな豊かさを知る上でも、非常に重要な指標になると感じたニュースです。

実践型ビジネス出張ツアー「Ăng-Ten(アンテン)」

ベトナム拠点・IT開発センター設立の実践視察ツアー【Ăng-Ten】
現地プロ7社とのアポ調整・ホテル・移動がすべて完了。ベトナム出張が決まった新規事業担当者へ向けた、確かな判断材料を持ち帰るための超実践的ビジネスツアー。

「Ăng-Ten(アンテン、ベトナム語でアンテナを意味)」は、ベトナム最大の経済都市・ホーチミン市を実際に訪れ、現地で長年ビジネスを営む7名の専門家と直接つながる、2泊3日の密度の高いビジネス出張ツアーです。

💡 本ツアーで得られる3つの価値

  1. 誰に会うべきかが見える:法務(弁護士)・採用・金融(銀行)・BtoB営業・不動産など、現地で接点を持つべきスペシャリストと直接議論ができます。※弊社バイタリフィ アジアのDirector 石黒も、オフショア開発の専門家(講師)として本ツアーに登壇いたします!
  2. 何から着手すべきかが整理される:すべて日本語での実践講義を通じて、拠点設立に必要な実務の順番と、見落としやすい注意点(成功例・失敗例)をまとめて持ち帰れます。
  3. 帰国後の相談先(人脈)が確保できる:質疑応答や後日の個別面談を通じて、自社の悩みを直接ぶつけることができ、帰国後すぐに動ける体制が整います。

【開催スケジュール(2026年)】

  • 第3回目:7月15日(水)〜7月17日(金)
  • 第4回目:8月19日(水)〜8月21日(金)
  • 第5回目:9月9日(水)〜9月11日(金)
  • 第6回目:10月14日(水)〜10月16日(金)

※オプションで航空券の手配や延泊(観光・ゴルフ等)のご相談も可能です。

急成長するベトナム市場への進出や、新規事業の拠点設立をミッションとして任された皆様。事前情報だけで判断するのではなく、ぜひ現地の最前線を自分の目で確かめに来てください。ホーチミンでお会いできることを楽しみにしています!

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